木炭は、皆さんのおじいさんおばあさんの時代までは、昔から日本では大切な熱源でした。冬の暖房は木炭のコタツです。お台所でも、さかな焼きやご飯をたくのにもつかわれました。冷蔵庫の中に木炭を入れておくといやなにおいを吸い取ってくれる(吸着する)ことを知っているひとも多いと思います。冷蔵庫の中のにおいだけでなく空気中の酸素も吸着する性質があります。これが電池のプラス極としてはたらくのです。
アルミニウムは、ナポレオンの時代は白金よりも高価な金属でした。鉱石から金属にするのが大変むずしかったのです。大変酸素と結合しやすい金属です。酸素とアルミニウムが結合する時に発生するエネルギーを利用して電池を作ろうというわけです。このさい、いろいろ調べたり実験したりして化学にしたしんで下さい。
下に写真入りで示した木炭・アルミ電池の作り方は、一つの例にすぎません。まずこのやり方で作った電池を試してみる、そして、もっとパワーのあるものはどうやったら出来るか、あれこれと自由に工夫してみることに力を入れてください。
家にあるもので、だれでも電池がつくれるよ。
みんなでつくってみよう。
用意するもの
・木炭(備長炭など)
*ホームセンター キャンプ用品店で売られています
・アルミホイル(家庭用)
・食塩水(食塩をとかした水)
・ティッシュペーパー
・輪ゴム
・その他、電気を流す導線や電圧を調べるテスターや電圧計、電球、モーターなど。 |
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作り方
1. 木炭のはしにアルミホイルを巻きつけて、輪ゴムでとめる(アルミホイルのはしをねじっておく)
2. アルミホイルから少しはれたところにティッシュペーパーを巻きつけて、輪ゴムでとめる(木炭と4.で巻くアルミホイルがさわらないようにする)
3. ティッシュペーパーを食塩水でぬらす |
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4. ティッシュペーパーよりせまい幅のアルミホイルを巻きつけて輪ゴムでとめる(アルミホイルのはしをねじっておく) |
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5. 1.でねじったアルミホイルと4.でねじったアルミホイルの間の電圧を電圧計やテスターで測ると0.8〜1Vぐらいの電圧がでる(1.5Vの豆電球やムギ電球なら光る。) |
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うまくできなかったとき:解決のヒント
・ "つくりかた"の1.で木炭に巻きつけたアルミホイルのところまで食塩水がきていませんか?
・ "つくりかた"の2.で巻いたティッシュペーパーがやぶけていませんか?
・ "つくりかた"の3.の食塩水がうすくありませんか?
・ "つくりかた"の3.でぬらし方が少なくありませんか?(木炭がかわいている)
・ "つくりかた"の3.でぬらしすぎていませんか?(木炭の中にまで食塩水が入り込んでいる)
・ "つくりかた"の4.で巻いたアルミホイルが木炭にさわっていませんか?
・ "つくりかた"の4.で巻いたアルミホイルがゆるくありませんか?(手でにぎってみてください)
・ 使った木炭木炭の電気の通りやすさは十分ですか?(よいものは、たたいたときにカンカンと金属みたいな音がするはずです)
電池になるわけ
<かんたんな説明>
アルミニウム(アルミホイル)のような金属は、水と出会うことでイオンになり水の中に出ようとします。金属がプラスのイオンになるとき電気の元(電子)が金属から出ていこうとします。一方、木炭に吸着した酸素は、食塩水の水と、アルミニウムから出された電子とをとりこんでマイナスのイオンを生しようとします。この二つの反応が組み合わされて電池ができるのです。
<詳しい説明>は、ここをクリック
良い電池を作るヒント
良い電池は、たくさんの電流が取り出せる電池です。たくさんの電流がながれるためには、電気が通りやすいこと、電気をだすはんのうがいっぱい進むことがたいせつです。そのため、反応の表面積、接触の具合、用いる材料の性質などけんきゅうしてみましょう。
・木炭について どこで作った木炭ですか?
大きさ(太さ、長さ)は どうですか?
木炭の電気の流れ易さは どうですか?かたいほど電気のが良くながれるようです。
木炭の表面はどうしたらよいでしょうか?
・アルミニウムについて
アルミホイル以外に、アルミテープ、アルミ缶は使えますか?
アルミホイルの光った面を内側と、外側のどちらに巻くのが良いでしょうか?
アルミニウムは、きつく巻くのと ゆるく巻くのとでは どちらがよいでしょうか?
・ティッシュペーパーについて
アルミニウムと木炭と直接に接触したらショートになってしまいます。ティシュペーパーは、ショートを防ぐため大切です。それ以外にも大きな役目があります。どんなはたらきでしょうか?
どのくらい巻いたら良いでしょうか?
ティッシュペーパー以外に何が使えますか?
・食塩水について
食塩水の濃さはどのくらいが良いでしょうか?
食塩水の他に何が使えるでしょうか?
食塩水のしみこませる量はどのくらいがよいでしょうか?
・電気の取り出し方について
木炭からの電気の取り出し方に、上に説明した他にどのようなやり方がありますか?
木炭に直接巻くアルミホイルが食塩水でぬれたらどうなるのでしょうか?
ここに書いた以外に、どんなことが考えられるでしょうか?化学の反応を考えて電池の出力(取り出せる電流のおおきさ)を大きくする工夫をしましょう。 |