(2011. 8. 25 掲載)
会長メッセージ |
公益社団法人日本化学会会長 岩澤 康裕
2011年3月11日の東日本大震災の発生から5箇月が経過しました。東日本大震災では、2万人以上の人々が亡くなられ或いは行方不明となっており、甚大な被害が生じましたことに、改めて心より哀悼の意を表し、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
福島第一原発事故は、放射能漏出が相当低下しているとはいえ依然として予断を許さない様々な問題を抱えている状況にあります。地震・津波・原発事故による被災からの復興・再生の目標と道筋を示す「復興計画」は、国・県・市町村の合意形成を経た方針の提示には未だ至っていません。しかし、復興・再生は、資源・エネルギーに乏しい我が国の将来の在り方と存亡に関わる課題であり、我が国の総力と英知を集めて検討すべき最重要課題といえます。公益社団法人日本化学会は復興・再生に化学から貢献すべく様々な活動を開始しております。
日本化学会は、5月に出版業界のご協力を得て、東日本大震災の被災地(津波で多くの書籍が消失)の避難所や図書館に、小中高の若者向けの化学書(科学書)などをお届け致しました。また、被災地域からの論文誌への投稿に対しては、オープンアクセス権の付与や投稿に係わる諸費用の免除等を行うとともに、被災者学生には会費免除の措置を致しました。さらに、これら短期的支援に加え中長期的支援を行うため、日本化学会より1400万円の資金を充てること及び募金を開始することを理事会で決定しました。これらを原資に支援を行うための東日本大震災被災者支援委員会(委員長:赤阪健筑波大学教授、各支部委員で構成)を立ち上げました。今後、東北支部とも情報を共有して化学コミュニティの被災者を中心に様々な支援を行っていきます。
また、アメリカ化学会(ACS)ではACS会員に支援を呼びかけ募金活動を行い、日本化学会の被災者支援に協力して頂けることになりました(C&E Newsに掲載)。
さらに、英国王立化学会やドイツ化学会からも協力意思の申し出を頂いています。
日本化学会会員の皆様には被災者支援募金に是非ご協力下さいますようお願い致します(東日本大震災被災者支援事業へのご寄附のお願い)。
(ご寄附の受付は終了いたしました。)
募金者名は「化学と工業」誌に掲載されます。会員の皆様のご理解とご協力・ご支援を何卒お願い申し上げます。
公益社団法人 日本化学会 〒101-8307 東京都千代田区神田駿河台1-5 Tel: 03-3292-6161 Fax: 03-3292-6318 |
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