(2011. 4. 27 更新)
会長メッセージ |
3 月11 日に発生した東日本大震災において,多くの方々の尊い命が奪われ,いまだ行方不明 の方々も多数おられ,甚大な被害が生じましたことに,改めて心より哀悼の意を表し,被災され た方々にお見舞いを申し上げます。
東日本の広範囲にわたる初等中等から高等教育研究機関,共同利用研究機関,多くの企業・事 業所,様々な行政機関等を含めて,日本の社会・経済システムに甚大な影響を与えている我が国 近代史上未曽有の東日本大震災に直面し,日本化学会としまして,被災地のいち早い復旧・復興 と安全の確保に向けて,学会としてできる限りの支援を行う所存です。被災された方々への支援 につきましては,日本化学会会員の皆様のご理解を得て,4 月から具体的な支援活動に入りまし た。
幸い,現在まで,会員の皆様の訃報は届いておりませんが,被災された会員各位におかれまし ては,状況が多少改善されているとはいえ,復旧にはほど遠く,依然として心身両面でご苦労を されているものとお察し申し上げます。全国の会員の皆様も,それぞれの立場で,できる限りの 支援,協力をお願いいたしますとともに,一致協力して,この未曽有の危機を乗り切ってまいり たいと存じます。
現代科学技術の最も大きな使命は「持続する発展」を達成するための方策を見いだすことと言 われます。環境と人間活動の調和を重視するとともに,現在地球上で生を営む世代と将来の世代 とが公平・衡平に発展の恩恵を享受することが求められます。福島原発事故の負の遺産を次世代 に残すことは許されません。少なくとも国民に心配のない状態にまで最大限軽減をすることが求 められます。我々は今何をすべきか? 持続可能な社会に向けた新たな科学・技術の創成と,そ れらを支え,予測困難な問題にも対応できる人材の育成が必要不可欠です。科学・技術と教育・ 若手人材育成への投資は,我が国の将来の運命を決める極めて重要な国の中心的戦略政策であ り,大震災を超えて重要な喫緊の政策課題と思います。そのためには,国力・国民力を回復させ る必要があり,あらゆる産業や事業などの活性化を緊急に行う政策が求められます。
公益社団法人日本化学会は,化学のほとんどすべての研究分野の専門家を抱える世界有数の 学会として,会員の英知と総力をあげて,大災害からの力強い復興と新たな日本の構築のために 最大限貢献できるよう尽力する覚悟です。
公益社団法人 日本化学会
会長 岩澤 康裕
公益社団法人 日本化学会 〒101-8307 東京都千代田区神田駿河台1-5 Tel: 03-3292-6161 Fax: 03-3292-6318 |
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