(2007. 10. 3 更新)
『元素戦略』『ケミカルバイオロジー』 |
研究交流部門長
岩澤 康裕
この二つの研究分野は、我が国の化学関連の学術および産業分野の今後の発展を担う極めて重要な分野であり、今回科研費時限付き細目として設定されたことは大変時宜にかなったことです。今後、国からの継続的な研究支援を得て、当該分野の研究をますます発展させるためには、これらの新規細目に研究者の方々に強い関心を持っていただくことが重要です。
本会会員各位におかれましても、この秋の科研費応募にあたっては、当該分野の研究計画の立案を積極的に検討されるようお願いいたします。
なお、本会ではこの関係の情報を本誌、本会HP、およびメール配信を通じて会員諸氏に逐次きめ細かくお知らせする予定です。
ケミカルバイオロジー
ケミカルバイオロジーは、化学の技術・方法論を駆使し生命現象を明らかにするポストゲノム時代の新学問領域である。種々の化合物の合成とそれらの生体内機能発現を観察する、あるいは化合物ライブラリーから生理活性を有すものを選択し、それらの機能発現を観察するといった研究が想定される。さらにはそれらの情報から生体機能の理解と制御を目指すとともに新世紀の生命科学の基盤を築く。ここからの得た成果は医薬品シーズや診断薬の探索、特異的で環境負荷を考慮した農薬開発など、実用的な分野に役立つ可能性が高く、生物工学や環境科学などの発展にも大きな学問的影響を与える。関連分野として有機化学、生化学、生物学、薬学、医学、農学・水産学、微生物学、工学などが想定される。種々の化合物を起点とした「ケミカルバイオロジー」研究のさまざまな方面からの推進を期待する。
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