(2005. 1. 6 掲載)

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化学アーカイブズ(Chemistry Archives)設立準備に向けての調査
― 会員の皆様方へのお願い ―


日本化学会
会長 御園生 誠
化学教育協議会
化学アーカイブズ設立準備WG
主査 植村 榮


 一昨年(平成15年)を「The Chemistry Year of Japan,2003」として日本化学会創立125周年を祝ったことは皆様の御記憶に新しいことと存じます。その記念事業を推進するにあたり、江戸時代末期から諸先輩方のなみなみならぬ、また、涙ぐましい努力の上に現在の化学会が成り立っているということが如実になりました。しかしながら、それらの努力を裏付ける膨大な資料があちらこちらに散逸し、また失われてしまっているのも事実であることが、この事業を通じて明らかとなりました。今ここに、少し遅きに失したかと思われますが、化学に関するそれらの様々な重要な資料の有無を調査し、出来ればひとところに集めて保管すること、さらにはどこにどのような資料があるのかが直ちに分るようなデータベースを作ること、すなわち、化学資料室あるいは資料館とも言うべき化学アーカイブズを設立することは、現在ならびに将来、化学の道を志す同輩・後輩のために非常に重要で意義のあることと思われます。非常な悪条件の下で当時の世界に通ずる立派な研究を行うためにこれ程までの努力がなされていたのかという事実を目のあたりにするとか、世界最初の発見に関する資料を直接見るとか、あるいは、世界の一流化学者との心暖まる交流を知るとかなどは、必ずや次代の研究者に夢と希望を与える大きな駆動力となることと思われるからです。
 そこで、今回まず手始めに、以下のような項目で皆様のお手許あるいは近辺にある諸先輩方に関する資料についての情報を頂ければ幸いに存じます。勿論、研究室の片隅に、あるいは、大学や会社の倉庫のどこかに保管されているもの、ほこりをかぶっているものなどでも結構です。ちなみに、日本化学会では現在「舎密開宗」、「気海観瀾廣義」、その他の古い書物類など約60点、さらに、各国化学会から贈られたいろいろな記念品などを所有しております。当然、価値判断の基準は各人によって大きく異なることはよく承知しておりますが、とにかく第一歩を踏み出したく、幅広く多くの情報提供をお願いする次第です。さらに、これらの調査について皆様方からの積極的かつ忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げます。WGとしましては、お寄せ頂いた情報や御意見を集約した上で、それらの収集ならびに保存や開示の方法について検討させて頂く予定です。

  1. 歴史的に貴重と思われる化学試料
  2. 化学界にインパクトを与えた研究の実験ノート
  3. 重要な実験のために考案された化学器具・機械類
  4. 歴史的に貴重な化学製品等の製造のために開発された設備や製法に関わる諸資料
  5. 歴史的に貴重と思われる写真類
  6. 著名な化学者との交換書簡類、サイン入り論文
  7. 所蔵されている江戸・明治・大正時代の化学関連の書物・資料・器物
  8. 化学史上著名な先達の留学先での研究に関する資料
  9. 退官記念集、著名な化学者の卒業論文、社史など
  10. 以上の資料に関する調査・研究論文
  11. その他(但し、化学雑誌や学位論文などは除く)
 なお、情報を御提供していただく際、以下の項目に沿ってe-mailまたはfaxを下記迄頂ければ幸いに存じます。
  1. 資料名(1〜11のいずれに属するか)
  2. 内容についての簡単な説明(写真貼付も可)、数ならびに形態など具体的に
  3. それらの所有者・所蔵場所
  4. 情報提供者の連絡先
  5. 以後の連絡先・問い合せ先(当然、Cと同じである場合が多いと思われますが)


社団法人 日本化学会
〒101-8307 東京都千代田区神田駿河台1-5
Tel: 03-3292-6161
Fax: 03-3292-6318
E-mail: chemarch@chemistry.or.jp
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化学アーカイブズ設立準備WG 事務局

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